掲示写真は海軍の一式陸上攻撃機で、機首両側面にH-6レーダーの初期型空中線装置が装備されている。本空中線は水平二列一段反射器付構成で、構造は半波長ダイポール二基を水平に配列し、平衡二線により中央から饋電するダブレット型であり、反射器は輻射器(海軍では投射器)の背後、1/4波長(50cm)の位置に装置された。H-6の導入当初、送信機と受信機の空中線装置は独立した構成で、このため、各機用に同一構造の二基が装備された。 一式陸攻の機首左側面にはエレメント4本が装置されているが、右側面にも同一配列のエレメントが装置され、左右に配置の半波長ダイポール二基でダブレット型空中線を構成する。装備されたエレメントは、前方上部二本が送信用で、前部が輻射器、後部が反射器であり、後方下部二本が同配列の受信用である。 なお、掲示写真は従軍カメラマンであった故阿部徹雄殿が撮影されたもので、場所はソロモン地区エフマン島飛行場である。