先般、知人がNet上の帝国海軍潜水艦のカラー動画を、Facebookで紹介してくれた。本カラー映像は戦後米国海軍が行った査察風景を撮影した物と考えられ、登場するのは小型潜水艦の波101、伊号369等である。 何れの潜水艦も修羅場を生き残った強者のため、電探(レーダー)やレーダー波検知用の電波探知機(逆探)を満載している。映像から波101が搭載した電波兵器は対空警戒用の1号電波探信儀3型(13号VHFレーダー)、E-27型電波探知機(VHF・SHF帯用)、48号型電波探知機(マイクロ波帯用)と考えられる。また、伊号369の装備は水上警戒用の2号電波探信儀2型(22号マイクロ波レーダー)、13号電探、E-27型電波探知機、48号型電波探知機であったと考えられる。 なお、これら潜水艦は米国海軍の調査が終了した後、五島列島沖で海没処分された。また、近年その一部が発見され、話題になったことがあった。https://www.topbuzz.com/a/6632526956464177670?user_id=6588851283385483269&language=ja®ion=jp&app_id=1113&impr_id=6633159391543560453&gid=6632526956464177670&c=fb写真捕捉 組写真@はハ101潜水艦の艦橋で、周囲にはE-27型受信機用のラケット型空中線が装置されている。本空中線はダブレット型空中線素子を平板又は金網で造った広帯域指向性型空中線装置で、ハ101には、艦橋の前後、左右の四カ所に設置された。このため、運用に際しては、各空中線を切り替使用する必要があった。 組写真Aはハ101潜水艦の左舷で、艦橋の頂部に設置されているのは、ラケット型空中線を円筒形に丸めた無指向性のランド(ラウンド)型空中線装置である。本空中線はラケット型空中線に比べ、使い勝手がよく、潜水艦で重用された。 中央のラケット型空中線の右は、パラボラ型反射器に装置された電波探知機用の空中線である。エレメントの構造から、本器はSHF(デシメートル波)とマイクロ波帯の兼用で、マイクロ波帯電波探知機48号型受信機が使用したと考えられる。マイクロ波帯用空中線装置については本固定式空中線とは別に、手待ち式のパラボラ型空中線が配備され、坦務要員は潜水艦が浮上すると、空中線と共にハッチより飛び出し、艦橋に立ち周囲を探索した。 右端の八木型空中線は13号レーダー用で、本空中線は三素子八木二基によるスタック構成である。 組写真Bは伊号369潜水艦の艦橋周りで、前部には22号マイクロ波レーダーの送受信空中線が装置されている。また、艦橋の左舷上部には13号電探用の八木型空中線が装置されているが、本空中線は折りたたみ式で、浮上時に水平に展開する。また、併せE-27型受信機用のルンド無指向性空中線が最頂部に装置されている。