横浜旧軍無線通信資料館掲示板


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    画像タイトル:img20230127192125.jpg -(241 KB)

    TBYで泣いた 名前: 事務局員 [2023/01/27,19:21:25] No.9497
     当館は現在旧軍無線機材の編纂に関わる関連資料として、大戦期に於ける米軍の携帯式無線電話機についての纏めを行っている。対象機材は陸軍通信隊のBC-222/SCR-194・195、BC-611/SCR-563-A、BC-1000/SCR-300及び海軍のTBYである。

     先般、これらの内、最後に残った海軍のVHF簡易機材「TBY」について纏めを完了し、資料に添付する写真の撮影を行った。しかし、本体を筐体より取り出したところ、なんと、送信部の発振同調コイル4本(4バンド)の内、装備されていたのは50MHz帯をカバーする3番コイル一本のみで、有ろう事か他の3本は外されており、驚愕した。

     このTBYに就いては、入手に関わる記憶があまり無い。TBYは簡易無線電話装置ながらよく出来た機材で、過去に装置完全一式を二度ほど所蔵した事があった。しかし、時期は資料館開設以前で、このため、特段の考慮無しに手放した経緯がある。

     その後編纂作業の関連で再度の入手が必要となり、「ヤフオク!」で本機を落札した事は覚えている。出品時に掲載された写真で状態は把握しており、入手時に細部を確認する事も無く、長い間放置していた。

     送信部の同調コイルは受信部と同一のターレット構造で、上蓋を開け内部を見ればその状態を確認することが出来る。しかし、バンド3のコイルを上部より見える位置に設定して写真を撮れば、他3本のコイルは確認する事は出来ない。ただし、落札は小生の責任に於いて行っており、文句を付けられる事柄でも無い。之が古物買いである。

     とは言え、全く予期せぬ出来事で驚きは大きく、久しぶりに泣いた。

    米国海軍簡易無線電話機「TBY」補足
     TBYは1930年代の後半に開発された米国海軍のVHF携帯無線電話機で、陸戦隊や艦隊等海軍の各部署で広義に使用された。本機は送信が自励発振・直接輻射方式で、受信が超再生検波方式の簡易無線機材であり、運用周波数は28-80MHzである。TBYは兵一名が背負い移動しての運用が可能であるが、通常は半固定式で運用する事が多かった。本機は大戦終了まで使用されたため、開発以降多くの改良が施され、各型が生産されたが、基本回路構成に然したる違いは無い。

    TBY-8緒元
    用途: 海軍陸戦隊用
    通信距離: 約1.5km
    電波形式: 変調電信(A2)、電話(A3)
    送信出力: 0.5W
    運用周波数: 28-80MHz(4バンド)
    送信構成: 発振「958A(P.P.構成)」、陽極変調(ハイシング変調)「1E7G(五極部.P.P構成)」、音声増幅・低周波発振「30」
    受信構成: 高周波増幅「959」、超再生検波「958A」、低周波増幅1段「30」、低周波増幅2段「1E7G(五極部.P.P構成)」、較正用水晶発振「30」
    電源: CNC-19018B型乾電池(156V、3V、1.5V、-7.5V)
    空中線: ロッド型、2.7m10段繋
    総重量: 約13Kg




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