この度、神奈川県横須賀市在住の軍事資料収集家・岩崎政信殿より、東芝製送信管UX-860(直熱式四極管)をご寄贈いただきました。 本送信管は、陸軍航空部隊の「94式対空2号無線機」を構成する送信機の、緩衝増幅管および電力増幅管として使用されました。UX-860は現存数が少なく、今日では極めて貴重な真空管です。 岩崎殿のご高配とご協力に、心より感謝申し上げます。陸軍「94式対空2号無線機」捕捉 94式対空2号無線機は、陸軍航空部隊の対空通信距離500kmの中距離通信機材として開発された。しかし、対空通信距離1,000kmの遠距離用機材94式対空1号無線機が僅か3機で不整備となったため、その代用として大戦終了まで、航空部隊の各部署で広義に使用された。 代用にあたり、対空通信距離1,000kmの問題は周波数帯の適正な選定により解決し、その運用に支障は無かった。 なお、野戦軍の軍通信隊も本機材より変調機を除き、遠距離用通信装置として使用した。94式対空2号無線機装置諸元用途: 対空通信通信距離: 電信600km、電話300km周波数: 送信950〜7,500kHz、受信140〜15,000kHz(8バンド)電波型式: 電信(A1)、電話(A3)送信機: A1出力約200W、水晶又は主発振UF-210B、緩衝増幅UX-860、電力増幅UX-860 x2並列使用変調機: 音声増幅UF-210B、ハイシング変調UV-849、音声送信制御UF-12A x2、遠隔用音声増幅UF-12A x2送信電源: 発動発電機、交流式発電装置送信空中線装置: 逆L型、柱高12m、水平長25m、地線-25m裸線6条受信機: 27号型2台、又は94式対空2号受信機二型2台受信空中線装置: 逆L型、柱高10m、空中線長20m以下、地線-20m裸線4条全重量: 840kg運搬: 各駄馬1頭式輜重車四輌、自動貨車1輌開設撤収: 兵6名で20〜30分