「海軍97式軽便無線電話機」
Navy Model 97 Handy
Radio Set |
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海軍陸戦隊用携帯無線機である。陸軍94式6号無線機と同機能であるが防水に対する若干の配慮がある。
通信距離:1Km
周波数:23,000-31,000kHz
電波形式:A2(変調電信)、A3(電話)
送信出力:0.5W
機器概要
使用真空管:31MC 1本
送信機:自励発振、陽極変調
受信機:超再生検波、低周波1段
電源:乾電池叉は手回発電機
空中線:L型、垂直部140cm、水平部65cm
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 無線機本体 |
 無線機内部、陸軍94式6号と異なり周波数帯は1バンド |

97式無線電話機の相互通話試験をする海軍陸戦隊員
(写真出典:TM No.14 Japanese Ground and Air Forces, US War Department
1942) |
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「海軍試製携帯無線電話機」
Navy Experimental Made
Portable Radio Set |
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海軍陸戦用携帯無線電話機で大戦末期本土決戦用として製造されたものと考えられる。機能は97式軽便無線電話機と同等であり、120cmのロッドアンテナを装備したものと、空中線接続用軍型ターミナルを装備した2機種がある。本機材は開発当初(昭和19年2月)送話器・受話器が本体に装備され、電源用電池も内蔵された携帯無線電話機であった。しかしその後、小型高圧電池(150v)の容量、供給、機材の操作性等に問題があったのか、送話器・受話器、電源電池外付方式に変更された。外見は同時期の米陸軍携帯用無線電話機BC-611を連想させるが、実体は単球の超再生検波、自励発信方式の簡易無線機である。
通信距離:500m
周波数:23,000-31,000kHz
電波形式:A2(変調電信)、A3(電話)
送信出力:0.5W
使用真空管:31MC 1本
送信機:自励発振、陽極変調
受信機:超再生検波、低周波1段
電源:乾電池4V、150V
空中線:120cmロッドアンテナ
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 銘板、昭和20年2月 |
 高周波部、真空管は31MC |
参考資料「試製携帯無線電話機」原型
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試製携帯無線電話機2種、開発当初は上部ベーク板部分に受話器、下部送受話器端子部分に送話器が装備されていた。奥側機材上部にはかって受話器が取り付けられていた跡が塗装剥離として残っている。 |
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「試製2式空8号無線電信機2型」 Experimental Model
2 ku Mark 8 Type 2 Radio Set |
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海軍落下傘降下部隊用携帯無線機である。 海軍降下部隊の規模は小さかったため、海軍工廠にて少数台製造されたと考えられる。送信出力からして上空旋回の航空機や降下部隊内の通信を目的としたものと考えられる。 後方部隊との通信用に陸軍の地4号無線機に相当する機材を別に装備していたはずである。
通信距離:3-5Km
周波数:3,000-7,000kHz
電波形式:A1(電信)
送信入力:1W
使用真空管:31MC x3本
送信機:水晶発振31MC三極並列使用
受信機:再生式、検波、低周波2段
電源:乾電池
空中線、地線:各水平部約20mの被覆線と思われる
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 試製2式空8号無線電信機2型前面 |
 電信機内部、左送信部、右受信部 |
 横須賀鎮守府第一特別陸戦隊長堀内豊秋中佐 |
堀内豊秋中佐は海軍体操の権威であり、その知識、技量を買われ昭和16年9月、横須賀鎮守府第一特別陸戦隊長(落下傘降下部隊司令)に任命される。昭和17年1月11日、同部隊334名は28機の輸送機によりオランダ領セレベス島メナド郊外のランゴアン飛行場に敵前降下、激しい反撃にあい苦戦するが同日夕刻付近一帯を制圧した。この奇襲降下は陸軍空輸挺身隊がパレンバンに降下する1ヶ月も前のことであった。
 海軍物資投下用落下傘
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