霜田光一論文事務局補足資料

 

1. マイクロ波用鉱石検波器
 写真左、「37」と書かれたエボナイト製の小筒が、マイクロ波鉱石検波器開発時の実験検波器。右が開発後、七欧無線により製造された量産型鉱石検波器。左下、ステアタイト製の鉱石検波器は当時米軍のマイクロ波レーダーで使用されていた検波器1N23。

2. 磁電管M-60
 写真左は霜田先生がマイクロ波用鉱石検波器の開発に際し、信号源として使用した受信機用小型磁電管M-60。右は励磁用の電磁石マウントに装着したM-60。本管の発振周波数は3,000MHz(波長10cm)、海軍22号系マイクロ波電探の受信機で超再生検波管、オートダイン検波管、スーパーヘテロダイン式受信機局部発振管等広義に使用された。

3. マイクロ波用電波探知機
 掲示は霜田先生が開発された鉱石検波器により兵器化が実現したマイクロ波用電波探知機の一機種「48号A型受信機」、上部が空中線、下部が受信機本体。本探知機の構成は鉱石検波、低周波増幅方式である。空中線、パラボラ式反射器の中央に装置された筒は同調周波数可変用の手動可変式キヤビティ、リボン状の金物は広帯域ダイポール型空中線、検波用鉱石は空中線の中間に装置されている。受信機本体は低周波増幅器である。

写真提供: 田村俊夫殿

 

4. 米軍機上用レーダーSCR-720B
 掲示はB-29等に搭載された爆撃用マイクロ波レーダーSCR-720B(波長3cm)。霜田先生が調査された鹵獲レーダーは本機材の高高度爆撃用であるAN/APQ-13、製造はWestern Electric社である。

資料出典: 「A History of Engineering and Science in the Bell System」

 

5. radar画面
掲示はSCR-720系レーダーが映し出した関東平野。富士山、相模湾、東京湾が明確に把握出来る。

資料出典: 「Radar System Engineering」Louis Ridenour、Radiation Laboratory Series No.1,Mc Graw-Hill Co,1947.

 

6. 鹵獲潜水艦
 掲示は霜田先生が搭載レーダーの調査に参加した鹵獲米潜水艦Darterの艦橋及び水上監視用マイクロ波レーダー「SJ」(波長9cm)の設置状況概略図。図中「ST」と標記されているのがSJ型レーダーである。艦橋後部の「SD」はVHF帯を使用した対空監視用レーダーである。

資料出典: 海軍技術研究所電波探信儀資料(部内極秘回覧資料)