この度、(株)KODENホールディングスの会長である伊藤良昌氏より、光電製作所の創業70周年を記念して作成された冊子「日本初期の無線電信」をご寄贈頂きました。 本冊子は光電製作所を創設された元海軍技術研究所・電波研究部の伊藤庸二造兵大佐が、1949年(昭和24年)より1952年(昭和27年)に渡り、関東電波監理局調査部内に設置された「おーむ会」の機関誌、「むせん」に投稿された記事を一冊に纏め、復刻されたものです。 本書はマルコニー及びそれ以前の無線電信、帝国海軍に於ける36式無線電信機の開発等、無線電信黎明期の特記事項を中心に纏められたもので、無線電信の歴史を知る、誠に貴重な資料と考えられます。 なお、本冊子を閲覧御希望の方が居られましたら、ご連絡下さい。期限付きで貸与させて頂きます。光電製作所と伊藤庸二元技術大佐 光電製作所は1947年(昭和22年)に元海軍技術研究所・電波研究部の伊藤庸二造兵大佐を中心に創設された電子機器メーカーで、伊藤良昌氏は伊藤元大佐のご次男です。 伊藤元大佐はマグネトロンの権威で、帝国海軍に於けるマイクロ波レーダーの開発に主導的役割を果たし、また、大戦末期には「Z研究」、所謂怪力光線の開発を推進しましたが、一方で原子爆弾開発の可能性を探るなど、当時の日本を代表する物理学者の一人でもありました。