この度、東京都在住の海法明治殿より、陸軍98式軽爆撃機の取扱説明書を横浜旧軍無線通信資料館に御寄贈頂きました。本取扱説明書は陸軍の98式軽爆撃機の整備担当要員に配布されたものと考えられ、エンジンや機体各部の整備に関わる概要説明書で、元陸軍航空部隊の大尉であられた海法殿の亡き父君がご所蔵されておられました。 本資料の御寄贈に関わり、海法殿の御配慮、御高配に、心より感謝申し上げます。 御寄贈頂いた陸軍98式軽爆撃機の取扱説明書は野戦航空部隊仕様の小型版で、青焼30ページにより構成され、前般は主要構成各部の説明、諸元、部品表となっており、後半は折り込み式の図面集です。本書は小型で、現場に於いて簡単に機体各部の構造を把握出来る、実戦的な取扱説明書です。 なお、海法殿の亡き父君は昭和13年に第93飛行場大隊に陸軍少尉として配属され、以降地上要員として94式偵察機、98式軽爆撃機と共に大陸を転戦されました。昭和16年12月に太平洋戦争が勃発すると、部隊と共にマレー攻略作戦に参加し、新たに導入された99式襲撃機の運用に尽力され、陸軍大尉として終戦を迎えられました。