波形表示と等感度測定 タキ2号は等感度測定方式の接敵レーダーで、標的よりの反射波を4基の3素子八木型空中線で受信する。受信空中線は夜間戦闘機の機首に上・下、左・右の菱形状に配置され、測定は左・右、上・下の空中線を1/25秒で切り替えて行う。タキ2号の波形表示及び測定の概要は大凡以下の様な物である。(掲示概念図参照)・受信空中線と標的位置 掲示概念図-1は機首に設置した等感度測定用空中線4基と標的の位置関係を示したもので、波形指示概念図-2の照準器に表示された反射波はこの状態を表したものである。・後部座席指示装置 波形指示概念図-2の左は照準器、右が探索/測距用指示器の波形表示管(CRT)である。本指示装置は後部座席に設置され、標的の探索、測距及び追尾を行うが、併せ、もう一基の照準器が操縦席に設置された。◎探索/測距用指示器 本器のCRTの左端に表示された線は測距基準線で、距離測定は測定用ゴニオメーターで表示波形を移動させ、測定対象反射波を本基準線に合致させ行う。距離はゴニオメーターに表示され、併せ、ゴニオメーターに直結したセルシン機構により、操縦席に表示される。 探索/測距指示器で、測距操作により反射波を測距基準線に合致させると、照準器には該当反射波が等感度測定方式により表示される。◎照準器 本器は機首の上・下、左・右に設置された等感度測定式空中線により受信された反射波を空中線切換器で1/25秒毎に選択し、併せ発生させた指向特性選択用の直流電圧信号により、図の如く同一のCRT上に位置を変え、四本の等感度測定用反射波として表示する。照準器による接敵 波形指示概念図-1の如く、標的は自機前方の左上方に位置している。このため、照準器に表示される反射パルスは左空中線で受信した信号の振幅は大きく、右空中線の受信出力は小さい。同様に、上部空中線で受信した反射波の振幅は大きく、下部空中線の出力は小さい。 このため、操縦員は上・下、左・右空中線の中心軸が標的に正対し、表示される4本の反射波の振幅が同一(等感度)と成る様に自機の操縦を行うと、方向探知機によるホーミング航法と同一原理で、接敵する事が出来る。