先般、国内のNet Auction「ヤフオク!」に、デシメートル波やマイクロ波に関連した真空管や立体回路他が大量に出品されました。真空管は掲示写真(一部)の如く、発振管、マグネトロン、TR管他多岐に渡りますが、その中には、当館が先に入手した陸軍の夜間戦闘機用接敵レーダー「タキ2号2型」を構成した送信管SN-7も含まれており、誠に驚きました。 ところで、これら出品物にはマイクロ波用局部発振管と思われる球が幾つか含まれており、特に「不明管」と当館が追記した三管が大いに気になりました。 不明真空管@ 本管の構造は川西の局部発振用マグネトロンML-15(1800MHz)や、ドイツが大戦末期に開発したPPI式のマイクロ波レーダー「ベルリン」の局部発振管RD2Md(3,000MHz帯)に類似しています。しかし、構造が洗練されているため、戦後の製品ではないかと考えられました。 不明真空管A 本管は日本無線が戦時中に開発したBK管に類似していますが、この球とは若干外部構造が異なります。事務局員は、局部発振用のマグネトロンではないかと考えています。 不明真空管B 当初本管は大阪管ではないかと考えましたが、構造から局部発振発用マグネトロンとの結論に至りました。本管の用途は不明ですが、構造から不明管Aの別バージョンかも知れません。 以上の如く、出品物には興味深い真空管が多数含まれており誠に驚きましたが、不明3管以外については、大凡の用途を推察することが出来ました。 つきましては、上記不明3管について、ご存じの方が居られましたら、情報の提供を、是非宜しく御願い申し上げます。 なお、全出品物の写真につきましてはfacebook「旧日本軍無線機etc.」に若干の追記と併せ掲示しました。 https://www.facebook.com/groups/1687374128228449/?ref=bookmarks