この度、帝国陸海軍のレーダー技術史研究家である餘家清氏が、「霜田光一の海軍戦時研究」を自費出版されました。 本書は義父で東京大学名誉教授である霜田光一先生(文化功労者)が、戦中に関与された帝国海軍に於けるレーダー開発と研究を、先生の所蔵する一次資料、証言を中心に纏められたものです。 内容は、我が国に於けるレーダー開発、霜田先生によるマイクロ波用鉱石検波器の開発、米軍レーダーの調査、大戦末期に於ける最新式マイクロ波レーダーの開発等多岐に渡ります。 本書は一次資料、証言、調査を基に編纂された技術史のため、内容は非常に重く、項数も270ページに及びます。 今日まで、帝国陸海軍のレーダー開発について、一次資料を基に纏められた技術史を他に確認したことがありません。このため、本書は大戦期に於ける我が国のレーダー開発を知る一級の資料と考えます。 なお、本書の入手につきましては、別途ご案内を申し上げます。霜田光一履歴 1920年生まれ。理学博士。1943年東京帝国大学理学部物理学科卒業。1948年東京大学理学部助教授。1959年同教授、1960年理化学研究所主任研究員兼任。1981年東京大学名誉教授、慶応義塾大学理工学部教授(1986年迄)。元レーザー学会会長、元日本物理教育学会会長。1974年東レ科学技術賞、1980年日本学士院賞、1990年勲二等瑞宝章、2008年文化功労者。研究分野はレーザー分光、量子エレクトロニクス、物理教育。