この度、熱電子管の研究家である岡田章殿より、以下の品々を御寄贈頂きました。これらは当館に取り誠の貴重品で、岡田殿の御高配に心より感謝申し上げます。御寄贈品☆超短波パルス送信管TR-593A(住友)☆超短波パルス送信管SN-7(東芝)☆1号放電管(マツダ)☆大阪管(日本無線)☆エーコン管UN-954(マツダ)五本☆マグネトロン5J30(General Electric)☆クライストロン726A(Western Electric)☆SB型音叉発振器(日本測定機)☆振動子空3型(光精機製作所)御寄贈品補足☆超短波バルス送信管TR-593A 本管は帝国海軍のレーダー1号機である「1号電波探信儀1型(11号)」の発振・電力増幅管を構成しました。当館(横浜旧軍無線通信資料館)は本機の改良型である11号2型に使用された送信管TR-1501を所蔵するも、TR-593Aは未所蔵でした。このため、今般の御寄贈により11号電探を構成した送信管二種を所蔵することになり、誠に幸いです。☆超短波パルス送信管SN-7 本管は帝国陸軍の夜間戦闘機用接敵レーダー「タキ2号」を構成した送信機の、発振管として使用されました。当館は本接敵レーダーの送信機を所蔵していますが、SN-7が一本未装備で、今般の御寄贈により漸く当該送信機の原状を回復することが出来、誠に幸いです。☆1号放電管 本管は帝国海軍VHFレーダーの空中線共用回路に装置されたTR管(送受信切替管)で、送信パルス発射時に放電により受信機の空中線入力回路を終端し、高周波回路を保護しました。☆大阪管 本管は日本無線が戦中に製造したと考えられます。構造が洗練され、装置への実装を計画し製造されたと推察されますが、その実際は不明です。 大阪大学の岡部金次郎教授が大阪管を発明して以来、海軍技術研究所は本管の研究を進め、多くの試験管を製作しました。しかし、当館は之までに、大阪管を実際に使用した機材や紙資料を確認した事がありません。この謎に包まれた大阪管に事務局員は大いなる興味を持っており、今般の御寄贈には誠感激致しました。