現在当館が進めている編纂作業に関連し、今日日話題のChatGPTを有効に活用できないかと、試行を繰り返している。 このツールは対話形式で、「何々について教えてください」、「添削をお願いします」、「英語に翻訳をしてください」等々、依頼事を入力すると即座に回答を得ることが出来、また、書き込みは日本語でよい。 ChatGPTは「良く嘘をつく」との評判通り、回答文は旨く纏められてはいるが、その内容は相当に酷い物が多かった。「講釈師見てきたような嘘をつき」との川柳があるが、ChatGPTは正にその類いで、間違った情報を誠見事に纏め上げ、回答してくれる。 このため、現在の状況では、自身が持つ知識の範疇外の事柄については、怖くて、到底その回答を利用する事は出来ない、との結論を得た。 特に事務局員が質問した内容は、大戦中の無線機材、レーダーに代表される電波兵器等、情報量が他のジャンルに比べ不十分な物が多く、このため、その回答は不正確、不都合なものになったと考えられる。 しかし、将来、質問に対する返答作成のソースが、その質問に該当する学術論文類や、行政が公開した資料に限定される等の処置が施されれば、ChatGPTの信頼性、利用価値は大いに高まるのでは、とも考えられた。 之までの運用から、当館が利用できそうなのは文章の添削と、日本語より英語への翻訳機能であろう。内容は旧軍機材に関わる事柄であるが、翻訳結果は非常に良く、Google翻訳と比較してその能力は優れている様に感じた。 参考資料として、以下にレーダーに関わる質問例とその回答を掲示した。☆帝国海軍の22号レーダーについて教えてください。(回答に22号の特徴を示す内容が無く、之を言っておけば文書が纏まる、の様な回答である)帝国海軍22号レーダーは第二次世界大戦中の日本のレーダーです。1942年に開発され、船舶のレーダー探知距離を大幅に拡大することができました。このレーダーは、高周波数帯域を使用し、船舶の航行状況を正確に把握することができました。また、空中目標の探知も可能で、敵機の発見に役立ちました。22号レーダーは、当時の日本海軍にとって重要なレーダー技術の一つであり、太平洋戦争中の戦闘において重要な役割を果たしました。しかし、戦争中の日本の物資不足や技術的な限界により、22号レーダーの製造数は限られていました。☆RAFのH2Sレーダーについて教えてください。(このレーダーは、水素と硫黄の結合から発生するマイクロ波を使用してや、発明者がジョン・ライル・ウィルキンス等回答内容に不都合なことが多い)RAFのH2Sレーダーは、第二次世界大戦中に英国の空軍で使用されたレーダーです。このレーダーは、地形追随能力を持ち、飛行中の爆撃機から地上の目標を検出するために使用されました。H2Sは、「Hydrogen, Sulphur(水素、硫黄)」の頭字語であり、このレーダーは、水素と硫黄の結合から発生するマイクロ波を使用して、地上の物体を探知しました。このレーダーは、英国の科学者であるジョン・ライル・ウィルキンスによって開発され、1943年に実用化されました。H2Sは、当時の空軍にとって、重要な兵器であり、特に夜間の爆撃作戦において、目標の検出と攻撃の正確性を大幅に向上させました。・・・・・・・