先般、日立市在住で、当館(横浜旧軍無線通信資料館)の技術調査員である安齊穗積君宅に、修復が完了した旧軍無線機材他の引き取りに出向いた。 今回は400km弱を一人で運転し、それも軽で、日に二度の都内横断であったが、何とか無事に帰宅した。しかし、帰路「一人焼き肉」を予定した守谷SAをうかつにも通り過ぎ、また、経路を間違え、一番古く、一番走りにくい銀座線に入ってしまい大いに参った。 さて、持ち帰った旧軍機材は何れも問題があり、長年手を着けず保管していた物であるが、今般安齊君により完全なる修復及び調整が行われ、動作状態に復帰した。何れの機材の修復も、低周波変成器の作成やマイカ蓄電器の交換、欠品部品の作成等誠に大仕事であった。 修復後、現在進めている旧軍無線機材の編纂作業に関連し、各受信機の感度測定試験を行い、統一的な測定方法の確立に努めた。各機の修復作業、測定試験他、安齊君には誠にご苦労な事であった。 ところで、安齊君は先年アマチュア無線家、茅沼完治殿(JA1HVL)より当館に御寄贈頂いたアマチュア無線機器他の整備も担当してくれている。. 既に大半の作業は完了しているが、今般其れ等の内、Collinsの受信機75A1を持ち帰った。Collinsのアマチュア無線機には各種があるが、何故か小生はSSB以前の機械である75A1が好きで、今般漸く長年の夢が叶い、誠に幸いである。 早速受け入れ試験を行っているが、感度は整備後の測定試験で2μVを得ており、また、安定度、PTOの直線性も抜群である。本受信機はSSB以前の機械でありながら、SSB信号の復調は誠に容易で、音質も申し分が無い。ここ最近は、本機と他受信機との聞き比べをしている。